少路百景 ビッグランド

2021年3月23日(火)、少路小学校第46回卒業式。

コロナ禍でさまざまな地域活動が苦渋の決断で見送られた2020年度は、学校行事も然りでした。
そんな中、卒業生の最後の行事として、6年間の成長の様子を発表する内容を織り込んだ、とても温かな式典が実施されました。

少路小学校での6年間の思い出を、1年生から順番に卒業生が分担して発表していく『卒業生 門出のことば』。

3年生の思い出の冒頭に発表されたのは

『ついにてっぺんまで登れるようになった、ビッグランド』
『1番上からの景色に、感動しました』

ということばでした。

少路っ子にとってビッグランドは、少路小学校での思い出に欠かせない大きな存在です。

初代のビッグランド(当時は「アスレチック」と呼ばれていました)は、創立4年目の1978年(昭和53年)に完成しました。

まだまだ遊具が少なく殺風景だった校庭に、当時の先生方やPTAの皆様が「もっと子ども達が楽しめるように」という思いで、電力会社から廃材になる木造の電柱を、また、豊中市水道局から土管を譲り受け、作り上げてくださったのがビッグランドの誕生です。

現在までには大規模な改修工事があり、修繕も施されています。
少路小PTAでは毎年PTA会計の中に「ビッグランド整備充実費」という項目を設けて改修繕費に充て、大事に受け継いでいます。

同じく卒業式の日にPTA企画で実施した「卒業記念バルーンリリース」では、風船に付けた児童からのメッセージカードに、こんな思い出メッセージもありました。

『ビッグランドは日本一の学校遊具!』。

卒業式のあと、校庭では晴れ着のままビッグランドによじ登っていく卒業生の姿がたくさん見られました。

快晴の空の下、ビッグランドのてっぺんから少路っ子として最後に見た景色。

いつまでも覚えていてほしいな。
そう思いながらその姿を眺めていました。

コロナ禍での学校休業期間中には、担当していたPTA委員会から保護者の皆さまに「満開の桜に囲まれた校庭のビッグランドも、少路っ子たちが元気に遊べる日を待ってくれていると思います!」というメッセージを添えてビッグランドの写真をお送りしたこともありました。

卒業式の日、私も久しぶりに子ども達と一緒にビッグランドに登りました。

卒業生の保護者として、自分も卒業生として。

いつかこの子たちも、母校の校庭を保護者として訪れる日が来るかもしれない。

母校の保護者になった感慨から、さらに卒業生の保護者になるまでの6年間は、本当にあっという間でした。

あと数年で創立50周年を迎える少路小学校。

子ども達に、創立当初の先生方や地域の方々が願ったことは「少路地域を子ども達の故郷に」というお気持ちでした。
少路小と少路地域でしか味わえない経験が、いずれ大切な思い出となり、学校や地域への愛着、故郷の想いへと繋がっていく。

これからも少路地域で育った子ども達に願う気持ちが大切に受け継がれていき、子ども達の「故郷」の想いに繋がる、少路地域の大切なシンボルであってほしい。

ただの「遊具」ではない、大きな存在感で在り続けてほしい。

そう願っています。

卒業式の日にはビッグランドの下に

「そのスーツ、中学校の入学式でも着るんやからねー!!」

と我が子に向かって叫ぶ保護者の姿が見られたことも、こっそり追記しておきます。

(2021.4.6 広報部・体育部 小林沙織)